2010年10月26日火曜日

国力を冷静に見る力について


私達の多くの人がそれ程確かな情報蒐集力がある訳でもない。
私がずっと不思議に感ずるのは高級官僚のあまりの情報蒐集力の無さだ。国民の上に君臨するだけで高い待遇が維持出来るので、本当の世の中が見えなくなるのだろう。特に近年は米国の指示通りに動けば良かったので、何も考えなくても追従していれば良かったのだ。

労組も同様だ。経営者に物申すフリをして高額の組合費を使う労働貴族が経営者と裏で談合するだけの組織だ。こんな甘い商売は無い。あまり何も考えなくても良いのは高級官僚と一緒だ。

私も日本人であり日本人を悪く言いたくは無い。しかし最大の問題は「先の敗戦から学んでいない」事だ。天皇を奉って朝鮮や中国等を侵略した中心勢力が、戦後朝鮮戦争以降米国の指示の下にそのまま生き残って日本を支配して来た。ベトナム戦争を経てイラク戦争から実質的に海外で軍事行動を開始してしまった。この頃からそれでも後方支援に過ぎないので「兵を前線に出さないなら、カネを出せ」と多額の米国債を買わされる羽目になり国内に回すカネが減った。この時以来減ったカネは「弱者から取り上げるので強者の取り分は減らさない(どころか実は増やす)」政策が強行され今に至っている。
菅政権は自公政権以上に酷い隷従ぶりを毎日晒している。

法律も詳しく無いが、日本人が検察に弱いのは戦前の特高警察の名残というより、むしろ江戸時代のお白州以来のお上には逆らえない意識が根強く、それが「特捜検察の暴走=酷い人権侵害」にも仕方が無いと受忍する現実の根底を支えているようだ。

伝統も大切だし江戸文化も素晴らしかったのだろうが、現代の激しい国際競争下で、日本人は勝ち残っていけないのではないか?年功序列制も問題はあるがそれ以上に派遣労働者の冷遇が高度成長期の日本の良さ、団結力を失わせていると思う。全く同一労働同一賃金とは程遠いのだ。

最大の問題は国民に残る米国隷従、中国・北朝鮮蔑視の感情だ。この意識が続く限り、今のアジア勃興の時代に自立した国家、繁栄を続ける国家でいられる訳が無い。米国隷従の実態は日本の支配者層程顕著なようだ。優秀な官僚でも自立意識の強い人達は、既に「巧妙かつ断固として排除」されもはや絶滅危惧種のようだ。政治家も同様で、小沢さんが排除されたら、みじめな世界中から馬鹿にされる国家に落ちぶれていくだろう。対中国・北朝鮮の問題はイデオロギー等はそれ程重視する必要は無いと思う。中国共産党を恐れ、日本の未熟な偽りの民主主義や先進国になったのが早かったからと言って威張っていては話にならない。技術等は余程努力しないといずれ全部追いつかれて相手にされなくなるのがオチだ。

「通貨の価値=為替レート」というものは不思議なものだ。しかしよくよく眺めれば中長期の動向を推定するのはそれ程難しいものでは無い。国力は衰退の方向だが、これまでの稼ぎの余剰が多いのと米国はドルの価値を下げたら日本や中国への借金を大幅に減らす事が出来るから円高が都合がいい。この2点で日本の余剰金が無くなるまで続くだけの話とシンプルに理解出来るかどうかであり金融関係で飯を食っていればわかっている筈という話では無い。

私達はその立場立場で賢く粘り強くいい国を目指して頑張るしかない訳で、一部の戦争好きの人達に操られる愚だけは何としても避けていきたいものだがとても安閑としていれる状況ではなさそうだ。

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