2010年5月9日日曜日

日本の財政は国際対比では健全でまだ危機ではない。

最近YouTubeで岩上安身氏による菊池英博氏へのインタビューを見ました。20余のパートに分かれて合計2-3時間もかかり2日に分けて視聴しました。菊池氏は09年7月「消費税は0%にできる」をダイヤモンド社から出版しておりそれを読んで心から共感していたので、改めて国民生活の基盤である日本の財政状況や税制について大切な基軸を再確認させて貰える良い企画でした。

<インタビューと著書のポイント>()内は私の追記分です。
①消費税引き上げは外国人投資家の要望に添った「法人税引き下げ」のためであり、決して「社会保障」充実のためではない。消費税導入後通算で200兆円を徴収したうち「法人税減税」に約150兆円回しているようで、米国の要望に添って投資家への配当が厚くされただけなのである。   (そして社会保障は小泉構造改革でむしろ減額の対象にされて、庶民や高齢者の生活を直撃したのはご承知の通り)

②国の債務は「純債務」で見るのが国際的な常識なのに財務省は意図的に「粗債務」で日本の財政が危機的であり財源が不足だと嘘を言い続けてきた。粗債務のみ見れば巨大だが、そこからから資産を引いた「純債務」で見ると日本の財政はまだまだ健全なのである。              (それでも危機ラインは大分近づいてきており要警戒レベルであるが)

③経済政策は1930年頃の大恐慌やそれ以降の歴史に学ぶべきである。当時の日本政府のとった金解禁や、橋本行革、小泉構造改革の失敗を繰り返してはいけない。日本復活の為には市場原理主義を一掃し、基礎的財政収支均衡目標と金融行政3点セット(ペイオフ、時価会計・現存会計、自己資本比率規制)を凍結・廃止して「輸出大国」から「社会大国」に転換すべきである。

以上の要約では足りないので、豊富な内容をより詳しく正確に理解する為是非YouTube(http://www.iwakamiyasumi.com/)と「消費税は0%にできる」(まだ3万人しか読んでいないらしい)をご覧下さい。

<私の意見>
この①-③の3つを日本の常識にしていきたいと思う。米国資本や経団連・同友会にのみ忠実で未だに誤った新自由主義の影響下にある財務省に騙されてはいけないのである。消費税増税が許されるのはいずれ景気が回復し高級官僚の天下り特権等の公務員制度改革がある程度実現して、社会保険料も税金の一部と見做して国民負担の本当のレベルを正しく国際比較した上で、食料品等の軽減税率も取り入れたものにしてからでなければ国民生活の安定には繋がらないのである。

あのまま自公政権が続いていたら2011年には消費税率アップが実行され、国民生活が破壊される可能性が強かったのである。このデフレの酷い時に逆進性の強い消費税増税はありえないのである。民主党政権になっても財務官僚の力は強いままであり、相変わらず早期の消費税アップを狙い続けているようだ。仙谷国家戦略相や前原国交相等7奉行は小泉前首相と同じ隷米の新自由主義者であり、消費税増税・法人税減税に傾きがちである。菅財務相も菊池氏の話も聞くが他の学者の意見にも影響されているようでありまだ安心できない。
菊池氏は先の国会でも公述人として素晴らしい発言をしてくれているが、民主党がこの意見を踏まえた政策になるよう見守る必要がある。これが国民の生活を守る最も大切な基本知識の核の一つであると思う。

朝日、日経を中心に全てのマスコミが財政再建のため早急に消費税を上げるべきと言い続けて民主党政権を批判している。彼らが現在の金持ち優遇税制の恩恵を受けている事と、マスコミの持つ既得権益を守りたい為と、株主・スポンサー・特権官僚達の意向を受けてのものであろう。一般の国民の事は恐ろしい程考えていないのである。それに加えて本当に勉強不足の人達である。テレビのキャスターもコメンテーターも一部を除き驚く程無知で傲慢な人達しか出さず、新聞を売る為に政局作りのみに忙しく、政策を深く論じない。正しい知識の深い人達が冷遇されているのである(官房機密費を貰っていた人達は全く論外で軽蔑すべき存在である)。

今この岩上氏等多くの実力の高いジャーナリストや学者・実務家達のご努力のおかげでネットで良質な情報が豊富に得られる時代になっており本当にありがたい。テレビ・新聞を殆ど見なくなって時間も余裕が出てきた。良書を読み、しっかり理解を深めた上で、皆で良い政策作りに参画していきましょう。それが本来の民主主義に繋がるのだと思っています。

1 件のコメント:

  1. 図書館から菊池英博氏を借りてきました.
    これから読んでみようと思います.

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