2011年3月6日日曜日

中国  中東  FRB

深圳

私達は今暮らしに直結する歴史の大転換点にいる。世界の大きな3つの動きについて大掴みに把握する事が大切である。

1.中国の脅威・中国の住宅バブル崩壊論

最近日本に帰化した石平氏の講演を聞いた。中国の海洋進出の日本への脅威と、住宅バブルの危うさが2大テーマだったと思う。説得力のある話が多かったので更に知る為に同氏の多くの著書の中で「中国大虐殺史」を読み、中国の脅威についても考えてみた。


【中国の脅威】
<「中国大虐殺史」の要旨の一部>
日中の歴史認識で争点になる「南京事件問題」の本質と、中国共産党政権の残忍な性格を理解出来る好著である。それにしても歴史上の真実の惨劇に正面から向かい合うのは中々辛かった。

毛沢東の革命は本当に多くの人達の命を奪ってなされたものであった事が良くわかる。中国共産党は1921年7月上海で第1回党大会を開き、コミンテルンの中国支部として発足以来中国史上最長の大規模な暴力・殺戮の時代が続けて来た。革命とは「破落戸というならず者達との共謀殺人」だとの事。「北伐」に始まり「一村一焼一殺」「紅軍大粛清」「長春兵糧攻め」「土地改革運動」「鎮反」「粛反」「反右派闘争」「文化大革命」と続き18年前の天安門事件に至る迄の歴史は絶対的権力者の恐ろしさが私の想像力を遥かに超えたレベルのものであった事を教えてくれる。

石平氏によれば「南京問題」は「天安門事件」等の本物の殺人者が日本に怨恨を転嫁させようとする口実に使っているとの事だ。又、上記の数々の暴虐をやり続けた中国共産党が、その後ソ連やベトナムやインドと国境を巡って争ったが大きな成果を得る事が出来なかった為、今度は海洋に進出拡大していく戦略に舵を切ったので、今後はまず台湾いずれ日本への侵略は必須であり、日本はそれに対して充分備える必要があると強調している。

自立した日本として、日中戦争に巻き込まれず日中友好を実現して生き抜いていく為にも、中国への厳しい視点と対抗策も必要である事は理解出来た。

【住宅バブル崩壊論】
人民元は小幅な変動幅を取り入れたものの、まだ米ドルとのペッグ制を基本としている。その幅の範囲で僅かな利上げが続いているが米国から見れば全く不十分で、この点で両国は折り合わないままだ。
又、住宅バブルの現状が楽観出来る状態ではないのは確かだが、何せ中国の発展はまだ臨海部が主体で内陸部はまだまだ成長の余地が大きく、国際的な資源不足の時代だが中国は資源確保競争で健闘しており、資源さえ確保出来れば今後の成長余力はまだ大きい。今後多少の調整局面はあっても致命的なものにはならないと見てまず間違いがないと考える。

中国を語る人達の多くがまだまだ研究・情報不足のものが多く、見方が一面的で感情的な偏狭なものが多過ぎる。より正確な実情の把握が必要で中国が悪くなる事を期待するのではなく、どう友好を維持しつつ飲み込まれないように対抗していくのかという基本的立場・意志の確立が必要である。

2.中東

中東の政変・政争が繰り広げられている。各国毎にそれぞれ事情があるようで、正確な所は把握が難しくじっくり推移を見守るしかないが、いくつか見えて来た事がある。一つはサウジやカタールやUAE等日本が約8割原油を依存している国々は巨大な原油の収入により、豊かで貧富の格差はあっても一般の国民も生活は充分可能で大きな不満があって王政の転覆を求める勢力は弱い事である。又国民を監視する体制も万全で情報統制も進んでいるようで、これ以上のドミノ現象には至らないようだ。
ここでも一つだけはっきりしている事は、今後原油価格も他の資源同様高騰していくので、只でさえ高まっていた産油国の経済的優位さが今後ますます高まっていくだろうという事である。それは日本のような原油輸入国にとっては今より更に恐ろしく辛い局面になっていくという事でもあるのだ。

チュニジアやエジプトは中東の中では比較的貧しい国々であった事が政変に至った要因のようだ。リビアは内戦の様相を呈しているが、いずれの国もTwitterやフェイスブック等が一役買ったようだが欧米の関与の真実は諸説あるのでどれが本当か今後徐々に明らかになっていくだろう。現段階ではっきり言える事は米国の指導力の低下が顕著であったという事だ。

いずれにせよイランや各国内のイスラム同胞団の力が拡大してイスラエルへの脅威が増え、近い将来の限定核戦争の危険が増していくという見方も根強く存在する。しかしこんなにイスラエルには不利と見える情勢下でも、彼らの入植地ではパレスチナ人に対し攻撃を強化している実態もあるようでその強靭さには驚くしかないのだ。

3.FRB

リーマンショック以降世界の金融情勢は米国のFRBがドルを刷りまくりそのカネで世界のマーケットに影響を及ぼしてきた。一つだけはっきり言える事はリーマン後ますます巨大化したGS等の巨大金融資本は更に権益を拡大しており、巨大コンピューター取引を駆使し日本の金融資産を騙し取り続ける仕掛け作りに余念がないという事なのである。

ギリシャ危機を出発点としてユーロ危機を演出したGS達は、ギリシャの国家破綻からユーロ崩壊が起こりかねないと演出して、底値で日本に手離させユーロ買いに転じそこでも大儲けした。次は日米欧の債券バブルを崩壊させて大儲けをしようとしている。これだけドルを刷れば大幅円高必至なのだが一筋縄にはいかないようだ。途中一時的円安を演出するかも知れないが、大きくは円高にしてTPPや消費税増税により日本経済を困窮させた後、債券バブルを崩壊させ急激なインフレを起こし日本を財政破綻に導き日本の資産を纂脱をして最後の大博打で史上を崩壊させ大儲けしようと企んでいると思われるがどう展開するか。日米欧共何が起こってもおかしくない崖っぷちに立っているのである。

FRB東京支店と言われる日銀は今はそれ程積極的共犯ではないようだし、これ以上の打つ手に乏しいが問題は財務省である。藤井氏や与謝野氏等高齢の政治家・高級財務官僚は大きく変貌した世界の金融経済の実態を理解出来ないようだ。彼らを隠れ蓑にしてFRBが取り仕切る巨大金融資本の方針通り忠実に動く機関に成り下がっているのが最大の問題なのである。

日経や朝日も全く同罪であり、GS等の巨大金融機関や今や債券市場の崩壊に賭けたピムコの作戦通りに乗せられてカモになっていく公算が強い。リーマンの時に、あれだけ無能さが明らかになった格付け機関の格付けを未だに信じている日本の金融機関や機関投資家は愚か過ぎる。彼らの資産はこれから1~2年で本当に毟り取られる事になるだろう。よくもまあこんな見え透いた騙しのテクニックに騙され続けるものか呆れる外はない。


今回も大き過ぎるテーマで、それぞれの専門家が多数研究しているテーマを論じたが、この1~2年が決着の時期だと思う。いずれも明るくない内容であり国難のような事ばかり書いたが、ざっくり見れば当たらずとも遠からずだと思う。お金持ちには紙幣でなく現物を沢山持っておくという手があるが、そうでない私達に出来る事は困難に立ち向かえるように精神的に備えておくしかないのである。

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