2011年7月6日水曜日

福島原発事故について-その6

成都パンダ(1歳・30㌔)

「今抱えてしまった大きな問題点」のうち今回は4番目についてです。


1.東電と政府の損害賠償責任について
2.福島原発放射線の影響と対策
3.福島原発事故の実態解明
4.日本の原発政策の本当の意義とは?
5.日本経済に与える影響と増税の可否



4.日本の原発政策の本当の意義とは?
(政府は何故重大事故を起こしたのに原発推進を止めようとしないのか?)

(1)原子力の平和利用の本質と経緯
 そもそも原子力=核であり、平和利用というが原発は核兵器の原料であるプルトニウムと劣化ウランを大量に作ってしまうもの。本来はあくまで大量殺傷兵器の技術と同一の技術を発電に使っている事が根底である事を忘れてはならない。


何故「平和利用」が推進されたのかの経緯の概要は以下の通り。
 米国がビキニで水爆実験→第5福竜丸被曝→日本の世論が反米に(当時3000万人の反核署名)反共対策に原子力平和利用で局面打開する事で日米が一致。背景に1953年ソ連が先に水爆実験成功、1954年に商業用原発(オプニンスク原発)も米国に先駆けて開発していた事もある。1953年アイゼンハワーが国連で平和利用を提唱。この動きに呼応して日本への原発の導入を図った中心人物が正力松太郎であった事は多くの人が知っている。


(2)日本は唯一の被爆国ではない。採掘・核実験・再処理・原発事故等世界各地で多くの被曝による健康被害がある。
 第2次大戦後も、世界各地で多くの核実験が行われた。
米国=ネバダ砂漠、ビキニ・エニウェトク(マーシャル諸島)、アムチトカ
ソ連・ロシア=セミパラチンスク、ノヴァヤゼムュラ   
イギリス=モンテ・ベロ諸島・マラリンガ・エミュ、クリスマス島
フランス=ムルロア、サハラ砂漠、仏領ポリネシア 
中国=新疆ウイグル自治区 
インド=ポカラン砂漠
パキスタン=チャガ
北朝鮮=咸鏡北道 
イスラエル?=カラハリ砂漠?
この他にもウラン鉱山採掘現場、再処理工場で被爆した人達は常に弱い立場の住民であった。


(3)核実験禁止の動き
 1963年に締結された部分的核実験禁止条約 (PTBT) で地下核実験以外は禁止された。
1976年には、地下核実験の最大核出力を150キロトンとする地下核実験制限条約 (TTBT) が米国とソ連の間で締結された。
包括的核実験禁止条約(CTBT)は未締結。臨界前核実験はCTBTでも禁止されていない。


(4)米国の核兵器の現状
 2011年5月21日に米国核安全保障局(NNSA)は新型の未臨界核実験(昨年10月と今年3月)成功を発表。保有する核兵器の安全性と有効性を確認する目的という。臨界前核実験に比べ核実験場も必要とせず火薬も使用しない。
ロスアラモス研究所、ローレンスバークレー国立研究所とバークレーのカリフォルニア大学の同僚と研究。


勿論高度の軍事機密なので詳しい情報は多くなく、私も十分な調査能力もない。ただ1つだけ言える事は1945年の最初の原爆実験から既に66年が経過して、技術は飛躍的に進歩していて当然だし、米国は決してこの研究開発を止める筈がないだろうという事だ。
現在の核兵器は超小型化しているのだろうか?
実用化はされていないのだろうか?
又米国の原発の核燃料廃棄物プルトニウムや劣化ウラン・減損ウランの処理はどうなっているのだろうか?
管理する場所は十分確保されているのか?
放射能漏れ等の事故はないのだろうか?
疑問点は尽きない。


(5)劣化ウランの毒性と劣化ウラン弾
 濃縮ウランやプルトニウムを生みだす工程で核分裂性が減った劣化ウランと減損ウランが作られる。この2つから劣化ウラン弾(放射能兵器)が作られ、1991年湾岸戦争、1995年ボスニア・ヘルツエゴビナ、1996~99年コソボ、1999年旧ユーゴ空爆、2001年~アフガニスタン戦争、2003年イラク戦争、とずっと使われ続けて来た。日独の砲弾はタングステン弾で値段が高い。劣化ウラン弾は安い上に、処理に困っている核廃棄物を他国にばら撒けるのだ。米政府・軍はその危険性を兵隊にも知らせず使わせたので帰還兵は湾岸戦争症候群を起こして苦しんでいるようだ。


1991年の湾岸戦争の際、イラク・バスラで小型核兵器(広島の1/3)を投下したのではないかというイタリア報道もある。2002年にアフガニスタンでも使用の疑惑がある?
イラク戦争に自衛隊を派遣した日本は水の供給をしたがバスラやファルージャでは劣化ウラン弾が使用され?癌や白血病が急増している。


こういった米国の軍事作戦に共同行動の度合いを深めつつある防衛省の動きを見ていると、イラク戦争で使用された?劣化ウラン弾の原料は関電が供給したのでは?とか今回の福島原発の劣化ウランは何処へ?とかいう疑念を抱く向きが出てくるのも一概に否定出来ないと思う。


福田元首相が急に辞任した背景には洞爺湖サミットでアフガニスタン戦争への派兵要請を断ったからという話もあるのだ。
2005年に日米外交・防衛担当閣僚会ギ(2×2)以来国防上の重要な事は国会であまり論じられず、どんどん官僚が決めて2×2で追認してしまっているように見える。日米同盟の一体化(隷属化)は我々の知らない所で(核関連も)進展している懸念は拭えない。

0 件のコメント:

コメントを投稿