2012年6月14日木曜日

広州・桂林・陽朔旅行で思う事(善隣友好が大切です)

興坪
1.背景にある国際情勢

<欧米日の衰退を隠す、やらせ景気回復>

日米欧主導の時代が曲がり角に来ている。副島隆彦氏の「欧米日やらせの景気回復」によれば、ユーロ圏は米日とも協調してジャブジャブ・マネーを作りだし、その結果フランス大手3行等欧州の30行が倒産を免れ、一時的に円安、株高の局面になっていると論じ、投入金額が巨額なので暫くはその効果が続くとしている。ドイツまで米国金融工学に騙されていたのでユーロは大きな危機だが、これで乗り切る事が決まったようだ。まだ危機の演出は続くが、この大きな流れは変わらないだろうが円高・株安が再燃したり、日銀の介入で円安・株高になったり方向性が定まらない不安定な局面が続いており、注視が必要である。

<中国等のBRICSの台頭>

米国1国覇権の時代から、中国との2極時代が始まっているのは確かだ。中国等BRICSの台頭は目覚ましいものがある。しかし日本経済新聞やNHKを始めマスコミは、米国や官僚の統制により、米国金融の内情の酷さや、米国の貧困大国化や、米国民の統制強化・自由の喪失等には触れず 「日米同盟の深化の重要性」のみを強調するだけだ。IMF等を通じた日米欧の官僚統制経済の強行により衰退を隠し、各国民の負担を増大させて米国債・株価・景気を維持する事に必死である。
一方の極に成長したBRICSの動向について日本の報道はあまりに少なく、しかもマイナスのもののみ選んで誇大に報道していて、マイナスのイメージを植え付ける意図が強過ぎるようだ。正しい、実態を掘り下げた情報が本当に必要な時なのだが。

<分断工作・米国の戦略とマスコミ>

米国と隷従する日本の官僚・政府は中国との尖閣諸島領有を巡る争いを煽ったり、韓国人の多い特別永住者の地方参政権の問題や韓流過多を批判したり、北のミサイル問題を過大に騒ぎ立てる等、日本と近隣国と争わせるようにあからさまな工作を展開している。マスコミは積極的に動いており、まともなジャーナリズムではなく、分断工作の首謀者の一員であるように見える。

<米国の戦略の変更>

・中東への関与減
米国はアフガニスタンで2014年末に治安の権限を委譲する。2012年7月から米軍の一部撤退が始まるが、パキスタンとの関係悪化で退路の確保も難しそうだ。今後中東への関与度の後退を余儀なくされている。シリア情勢の日米欧の報道も一面的過ぎ、イラクに大量破壊兵器が無かったように、民衆虐殺を誰がやっているのかは疑わしく、真相を見極める必要がある。
イランの核施設への攻撃が決行されるのか?が最大の問題なのだが今はサイバー攻撃を仕掛け核施設空爆以上の戦果をあげようとしているようだ。

・中国包囲網作り
いずれにせよ米国は中国を仮想敵国に見立て包囲網を構築しようと新たな防衛線作りに必死のようだ。野田政権に森本氏を防衛相にするよう指示し、対中国敵視政策を遂行させようとしている。
しかし事は単純でなく、米国債の保持を続けて貰わないと経済が成り立たないので、中国とは裏の繋がりは太いようだ。
米軍の再配置に呼応したと思われる東京都・石原知事の尖閣諸島購入の動きを丹羽駐中国大使は批判したが、政府から撤回させられ、近々交代のようだ。本当は視野が一面的で挑発的過ぎる東京都が購入する方が問題なのだが。野田首相自身も対米盲従しか考えていないので、このままだと日中関係も難しい局面になってしまう恐れが強い。


<近隣国とは善隣友好関係が一番>

・軍拡や戦争を煽る人達
一般市民にとっては、隣国との密接な友好関係に基ずいた交易や人材の交流による安定した互恵関係が共通の利益なのだ。米国の産軍複合体やそれに連なる人達にとっては、緊張を高めて高額な武器を売却する事が多大な利益に繋がるので危機の演出に必死だ。
更に一番の問題は、米国大銀行達の大赤字の裏帳簿を御破算にする為に戦争を起こそうと企んでいる人達がいる事で、いろいろな策謀を繰り広げており、徐々に緊張が高まりつつある。

・ネットの情報把握と共有で友好促進に繋げよう
幸いにも、今は一般市民でも米国やイスラエル政府の意向・動向がネット上である程度把握出来る時代だ。彼らの意図・行動を監視して暴発させぬよう注意が必要だ。一方隣国中国の実像を把握する為に出来るだけ自分の眼で各地を見て回り、正しい情報により無益な戦争や軍拡競争に陥る事なく、安心して交易・交流出来る関係作りが重要である。


<中国の実像に迫り良好な関係作りをしていこう>

今回の旅行で自分で見聞きした最近の中国の実像を纏めてみた。大国中国の僅かな一部分とは思うが、悪意を持って対立を煽る日本の情報空間を通じた中国の姿と実態とは乖離が大きいのが実情と思う。
私達は素直に中国の急速な実力の向上を認めた上で、発展に伴う様々な問題点も把握しながら、対等・親密な両国関係を築いていく事が重要だ。その基盤を築いた上で楽しい民間交流をしていきたいものです。

2.それぞれが美しい街。急速な成長はまだ続いている。

(1)広州・桂林・陽朔旅行で感じた事

<広州=落ち付いた大都会>

・関空から4時間15分の広州は広東省の省都。人口1270万人の中国第三の都市だ。上海や北京より渋い、落ち付きを感じさせる街並みである。
・「食は広州にあり」は本当だった。広東料理だけでなく、四川・北京等多彩な料理が味わえる。
・香港・深圳のほぼ西。深圳も近く、電車で2時間程で香港にも行けるし、マカオも遠くない。
・市内の中心街は銀座の道を少し細くした感じで美しく、通行人は皆かなりお洒落だ。中心街にさりげなく宋・明の時代の発掘された古道があり、気楽に安心して散歩が楽しめる。
・ショッピングモールは香港資本(李兆基の恒基兆業地産集団?)による最新の作りで華麗で広大だった。本当に沢山のブランド店が軒を連ねていて、中国の富豪達用の高額な翡翠・金製品が並べられ圧倒される。眼の保養にはなったが。
・市内の西越博物館には古代の墓・煌びやかな埋葬品があり、一見の価値がある。
<桂林=景観の素晴らしい国際的観光都市>

・広州から飛行機1時間余りで桂林へ。ここも大きく立派な空港だ。
・ホテル(漓江大瀑布飯店)からは漓江の景観が眺望出来る。翌日象鼻山や七星公園を散策した。公園は広大な森で入場料が高いらしく人が少ないので、3頭いるパンダも間近でガラス越しにゆったり見れた。
・近くの両江四湖クルーズでは4つの少数民族の住居を巡り歓迎を受けた。川に点在する少数民族は観光客に文化を見せて暮らしているようだ。
・お目当ての漓江下り(距離83km)は山水画に良く出る景勝地の風景が竹江から陽朔までずっと続く。今回は雨で水量が多く4時間で下ったが、両岸の景観が変化し続け全く見飽きなかった。
・桂林の人口は500万人弱だそうだが観光客が多く、国外から年間500万人も訪れるとの事。国内からも3000万人と言う。空港も立派で欧州からの観光客も沢山いて賑わっていた。


<陽朔=懐かしい風情の桃源郷>

・桂林から陽朔はバスで2時間程。陽朔は人口30万人の小さな県。中心にある西街は西洋人が多い街の意で、国際色豊かでホテルからも近く、民族品のショッピングが楽しかった。
・景勝地陽朔に3泊したが、ホテルは5つ星で木材を多用した瀟洒で大きなリゾートホテルだ。部屋のベランダから山水画そのものの風景が見え、沢山の鳥の鳴き声が聴こえ、眼前を流れる小川に筏舟が行き来し、牛追いの農民もいて、蛙も鳴き、本当に昔懐かしい桃源郷のような所だった。
・すぐ傍から6人乗りの筏に乗って小川を下る。鵜飼も間近で見れた。長良川より大きな魚を何度も飲み込み吐き出していた。暫く川岸を歩くとラクダまでゆったり歩いていた。
・扇子で有名な村の福利鎮見学後、漓江を見るスポット(20元札の図柄にもなっている)の興坪では、日本人の林さんが作った「和平亭」から漓江を眺めたがなかなか乙であった。
・農村は昔と様変わりしてすっかり豊かになったようで、農家の3~4階建ての大きな家並みが点在して続き、用水路も整備が進んでいて、農産物も種類が豊富でおいしいのには驚いた。
・夜は水上歌劇「印象 劉三姐」を観た。漓江の川と山全体を舞台にして600人が舟や川岸で演じる。北京五輪でも活躍した演出者の光や音声効果が素晴らしく、オーストリアで観た野外オペラにも優るとも劣らないものと言えよう。但し、雨だと川の水量が増え中止になる事が多く、3日泊った最後の日にようやく観る事が出来たのは運が良かった。

3.中国関連の最近の動き

<変化の兆し>

6月から円と元がドルを介さず直接交換出来るようになった。まだ3大銀行位しか活用していないようだが、徐々に貿易業者にも拡がっていくのだろうか。観光客に限れば土産物購入で円は歓迎されるので、もう先行しているのだが。


6月7日、上海協力機構(SCO)加盟国首脳理事会第12回会議(北京サミット)が北京で開催されている。発足して日が浅い国際機構だがこれまでの10年間を順調に歩み、安全保障、経済、人的往来及び文化などの各分野で大きな力を持つようになって来ている。今回はアフガニスタンまでもがオブザーブしたようだ。ロシアのプーチンはG7に参加せずSCO参加を優先した程である。
米国一極覇権の時代は確実に最終局面に入っていると言えるのだが日本のマスコミ報道では全く分からないだろう。

<いくつかの大きな課題>

日中間には先の日華事変・大戦という不幸な時代があり、靖国神社参拝問題や南京事件についての歴史認識問題等を抱えている。中国共産党独裁でチベット問題もあり、伸びていてもまだ新興国で商品の品質は良くないとのイメージも残存している。

何よりも中国軍の力が増大しており、核搭載の潜水艦やミサイルが米軍にとっても大きな脅威になって来ているようだ。米軍が沖縄集中配備から、グアムやフィリピン、タイ、ベトナム、豪州等に分散配置を図っているのもこの脅威を避ける為なのか。米軍はもう辺野古移転は考慮外になった筈だが日本政府は必死に繋ぎとめようとしている。県民の意識はますます県外移設で固まっているので不可能だろうが。

尖閣は折角実効支配しているのだから、棚上げして資源の有効活用策を持ち交渉していけば良いのだが。中国漁船衝突事件も尖閣3島東京都買い上げ問題も、日本から(米国の指示で?)わざわざ喧嘩を売っているように見える。国の対応が不充分ではあり問題提起の意義は認めるが、強がるだけの愚かな行為と思う。

日本が米国の軍事力をあてにして「日米同盟の深化」とかいう美名の下、自衛隊が事実上米軍の指揮下に入るかのような動きが進んでいる。国会でまともな論議が無くなって事実がどんどん先行しているようだ。集団的自衛権の行使も認めないと言葉では言うが、なし崩しに拡大解釈して米軍との共同軍事演習を海外各地で始めそうなのは問題である。

いつの間にか中国を仮想敵国であるかのような動きが始まっている。一方で中国との貿易は米国とのそれを金額で上回り、不可欠である事が過小評価され過ぎていると思う。

4.友好・交流の輪を拡げよう

それにも増して日中間の長い歴史・文化の交流を軽視し過ぎていないか。英語が国際的に重要な言語である事は論を待たないが、米国の支配層の考えである「合理的精神」を突きつめていくと、金が全て、力が全て、自由競争で勝者と敗者がいるのは当たり前という殺伐とした世界になっていく。中国も幾多の戦乱を経ていてとても一筋縄ではいかないので充分な警戒は必要だが、胡錦濤主席の儒教を土台にした「和階社会」の理念は成功しているし、一定の信頼は出来る国だと思う。

とにかく米国一辺倒で隷従して中国を敵視する政策は取るべきでない。交流の輪を少しでも拡げていく事が望まれる。成都も青島も厦門も大連も素晴らしい街並みになっている。どこも数時間で行ける本当に寛げる所なのだ。
又豊かになった中国人に沢山来て貰い、日本の良さを体感して欲しい。今回関空に帰る便は満席で多くの中国人が乗っていた。(白いランニングシャツ姿の農民が国際便に乗る時代だ!)

私は初めて中国へ行った時、平安初期に苦労して海を渡った空海が訪れたという西安の青龍寺へ行って見た。そこで求めた槐樹の数珠を今も大切にしている。今住みだした所も高野山へ1時間半で行けるので縁を感じている。仏教は昨今は葬式仏教と揶揄されるが、簡単に捨て去る程値打ちの無いものではないと思う。
お茶も漢字もいろいろ中国伝来のものは多い。この歴史的・文化的な太い絆はもっと大切にしていくべきではないだろうか。

以上




2012年5月11日金曜日

小沢捏造裁判で思う事

櫻井陽司「パンとワイン」


日本はとんでもない官僚妖怪の支配する国家になってしまっている!

1.はじめに(事件の背景)
3年半に及ぶ西松事件から陸山会事件に至る裁判で、日本の司法官僚が国民の生活を雁字搦めに縛っていこうとしている事が良くわかった。

<背景ー日本のおかれた立場の確認ー>

戦後66年経過した。敗戦後日本国憲法の下、高度経済成長・バブル崩壊・失われた20年と興隆期からじりじりと停滞から衰退期に向かい始めた日本。
勿論米国のドル覇権、日米安保の名の下の属国の立場で経済成長を遂げた日本はソ連崩壊後、1990年頃から米国の主要敵国的立場になり、激しく金融・為替等で攻撃を受け続けて来た。

2000年代になるとブッシュのイラク戦争に全面的に組み込まれて、戦費約40兆円を負担させられ、とうとう非戦闘地域という名目でサマワで戦闘の支援をし、米国の住宅バブル政策も支えて来た。

2008年遂に米国のバブルが崩壊して混乱したが、ドル覇権国家米国はドルを刷り続ける事で急場を凌ぎ続け、中国・日本・サウジアラビアに米国債を買わせる事で今の所何とか持ち直しているかのように見える。

投資会社で唯一生き残ったゴールドマンサックスは装いを変えドル危機を覆い隠し、大量にユーロ圏諸国に買わせた米国債や債券の損失を把握出来る立場を利用してギリシャ・イタリア・スペイン等への攻勢をかけ続けていて、現段階ではユーロ危機が目立っている段階にある。

<米国覇権の陰りー確実にG1からG2に向かっているー>

この間、米軍・イスラエルの強硬姿勢にも経済的縛りから陰りが出て来ている。昨年からのイランの核施設への米国やイスラエルの先制攻撃論や、北朝鮮との緊張の高まりをしきりと演出しているが、細かい動きを観察するといずれも米国・イスラエル両国の強硬派を慎重派が押しとどめている動きが今の所上回っているようだ。それでもルービニ教授があと1年以内にイラン攻撃が起こると言及する等、戦争勃発の緊張が続いている。米国・欧州の大損失を隠しきれなくなった場合、ちゃぶだい返しの為の大戦争も覚悟しなければならない程欧米の金融機関は傷んでいるようだ。

いまや経済的にはG20の方が力を持ち、何事もG7やG8、IMFや世界銀行で欧米主導で物事が決まる時代でなくなりつつある事は確かだ。BRICS、とりわけ中国の覇権がいろいろな影響を及ぼし始めている。

こういった情勢下、米国は環太平洋パートナーシップを軸に大西洋から太平洋に軸足を移し、アジアの成長を取り込む為に、日本の軍事・経済を従来にも増して管理下に置き、自由に使う必要があるのだ。隠し続けるリーマンショック時の巨大損失を日本の国富を奪い取る事で埋め合わせようとしているのだ。5月11日発表されたモルガン・スタンレーの損失は本当は桁が違う位あるのだろう。

2.何故小沢氏排除が全てに優先するのか
(陸山会事件の政治的弾圧裁判でわかった事)
もうこの裁判がまともな裁判でなく捏造された政治裁判である事は明確になった。無罪判決が出ても、小沢氏の政治力を封じ込めたい米国、米国やIMFに資金をつぎ込む必要のある財務省、国民の権利を制限し巨大な権力下に置きたい最高裁事務総局・法務・検察、対中国・北朝鮮との緊張を高めて米国に忠誠を尽くし権限を拡大したい外務省・防衛省等が一体となり「国民の生活が第一」の政治家の排除・抹殺を目指している。特に最高裁事務総局が検察審査会を下部組織として使いとうてい公開出来ない不当な操作をしていた疑いは濃厚である。

軍事的にも経済的にも、日本の「国民の生活が第一」等はとんでもない事であり、財政困窮の米国軍事費の肩代わり、日本の郵政資金のみならず年金も米国の金融債券の損失の穴埋めに使おうとしているのだ。保険も郵貯の簡易保険等許し難く、医療制度も自由診療部分を拡大して儲けたいのだ。又、モンサントの遺伝子組み換え作物で市場を席巻したがっている。これらの日本経済蹂躙政策が消費税増税=管理出来ない中小自営業者を潰す事で市場を奪う事、TPP=日本の制度を殆ど米国と同等のものに作り替える事、を要求しているのだ。

勿論、一気にそんな事が可能になる訳はないが、彼らにとって「国民の生活が第一」の政治家が邪魔な事は明らかである。それにしても官僚・マスコミの米国隷従度合いがこれ程酷いとは。ある程度認識している人達も、この小沢裁判の過程で想像以上の隷米ぶりが明らかにされた。

米国・官僚・マスコミは「国民の生活が第一」派の政治家の抵抗は想定していただろうが、一般市民の大きな抵抗は想定外だったのではないか。それも既に指導者を懐柔済みの社民党や共産党では無い保守系無所属やリベラル派の市民が団結して抵抗の輪が拡がったのである。田原や茂木等を使った懐柔も全く無力になって来ている事にまだ気付かないのだろうか。みのや古館は勿論、大越がどれ程バカにされ嫌われているのか早く気がついた方がいい。


3.抵抗の輪を拡げよう
ここまで来ると捏造した側もされた側も、引く訳にいかないだろう。福島原発事故対策も損害賠償も放置したまま、産廃業者を儲けさせる為と、閉じ込めた福島の人達の健康被害が突出しないように放射能バラマキ政策と、後は野となれ山となれの原発再稼働をやりながら双方とも消耗戦を続けるしかないのか。

いくら相対的に日米欧の中では財政が健全な日本でも、このまま官僚・天下り官僚が税金を貪り続けると危ない。まして成長国中国・ロシア・インド・ブラジルを始め韓国・トルコ・インドネシア・ベトナム等が日本のライバルどころか凌駕する部分も目立ち始めている段階だ。いたずらに国内の政争や対外強硬姿勢で自己陶酔している余裕は無い筈なのだが。

これまで独占的立場で甘い汁を吸い続けて来た官僚・行政組織・電力会社・NHK・マスコミ等のたっぷり蓄えた脂肪分を吐き出させないで耐えに耐えて来た中小自営業者やサラリーマン・派遣労働者達から更に毟り取ろうとすると収拾がつかない混乱が生じ、一気に坂道を転がり落ちる事になってしまう。一部少数の日本国債暴落に賭けているトレーダー達に巨利を与えてはいけない。

いずれにしても激しい攻防で、仮に既得権益側が力で一時的に抑え込んだ場合は国力が急落していくだろう。一番の能力の高い働き手達の力を大きく削いでしまうのだから。騙されたり意気地が無く唯々諾々としている人達だけを酷使しても碌な成果は出ないであろう。

今後どうなるか予測はつきにくいが、こんな酷過ぎる事件が無ければ悠々自適するつもりだったが、こうなったからには覚悟を決してコツコツ・黙々(ではダメですね!)と抵抗の輪を拡げ強化していきたいものです。





2012年4月12日木曜日

「次なる経済大国」 ジム・オニール氏著    北川知子氏訳を読み乍ら感ずる事

八丈島からの切り花
<始めに>
世界最大級の投資銀行のゴールドマンサックス(以下GS)、リーマンショックの嵐にも生き残った。そのグループ会社GSアセット・マネジメント会長のジム・オニール氏の2012年2月の著書。「BRICs」の造語を生みだし、2001年にチームで分析レポートを発表した事で有名な人物の新著は注目に値する。
世界で起きる重大な出来事に関与している度合が高く、むしろいつも引き金を弾いていると言ってもいいGS。ギリシャ危機も発端はGSだ。その真実を知る一人なので、一般人として抱く嫌悪の感情は別にして、真相の核の部分は触れられていないにしても大きな流れについての見方を知っておく事は実に重要だ。大きく言えば大阪の橋下市長の背後にも関与の翳があるのは当然だろう。
<テーマの概要>
「次なる経済大国」の帯に書かれている事が重要だ。→「日米欧の時代は終わった」。
日本が低迷する20年間、世界経済の勢力図は一変しつつある。いまや世界は成長の時代。驚愕すべき新たな現実が幕を開けようとしている。…我々がこれらの台頭しつつある国々を全く異質な新興国市場と考えるのを止めるならリスクと機会のバランスを良く理解出来るに違いない。
私はBRICs諸国とインドネシア、韓国、メキシコ、トルコの8カ国を「成長国市場」と呼ぶ。これはマーケティングの戦略でもなければ、新しい投資ファンドを売る手段でもない。
誰もが、世界的視野に立って考える為の方法なのだ。


(私の意見)
上記の見解は本当に共感を覚える。特に日本人の比較的多くの人達には受け入れたくない現実だからだ。それが日本企業のライバルに成長した中国・韓国への極度の反感になったり、今後両国の成長が止まる事を喜んだり望んだりする狭い料簡に通じていて、つまらない感情的な予測本も多いのが現状だ。
それを米国産軍複合体とその手先達にいいように利用され、マスコミ等に何も知らない癖に好戦的言辞を吐いている連中が多いのも困ったものだ。米国の国益の為に、前原のように嗾けられて喧嘩する(フリだけでも)愚は絶対に避けなければならない。こういう場合のマスコミの報道は煽るだけ煽る酷いものだ。(中国が強大になって今の経済優先で無くなり侵略的姿勢が顕著になった場合はどんなに不利でも断固戦う姿勢は必要だが)
日米同盟を盲信し米軍が日本防衛の為に戦う事をアテにしている人達が多いのには驚く。こんなにも多くの米軍基地が無ければ国を守れないのだろうか?米国の軍事基地のままいつまで占領され無理な事(郵政完全民営化も消費税増税もTPP加入も)を指示されていいなりになっていたら気が済むのか?
今や大金持ちになった中国資本が日本に投資する事を嫌悪する人達は、米国欧州資本の投資との違いは何だと言うのだろうか?貿易がどれだけお互いの為になっているか何故もっと取り上げないのか?
隣国中国との長い交流の歴史は隅に追いやり日中戦争の歴史のみ強調する。一方大東亜戦争で米軍のなした事は全て忘却さすよう必死で隠し、教育で米国・国際金融資本に従順な人間を量産しようという長い計画があるように思われる。これはあまりにも対照的過ぎないか。


衰退する欧米の仲間に入れて貰って、いつまでもG7だG8だと先進国気取りで特別会計から金を巻き上げられて喜んでいる場合では無いのだ。官僚はIMFや世界銀行やIAEAのポストを与えられ大喜びだ。しかし米国一国覇権の時代はもう終わりが近いのだ。
既に中国・インド・韓国・インドネシア等の「成長国市場」が世界の景気動向を左右している事は、財務省や日本経済新聞等米国の支配下にあり発言の自由の乏しい人達以外の経済に関心のある人には誰でもわかる事だ。ベトナム・マレーシア・シンガポール等も含めこれからはアジア市場で活路を開いていく必要がある。


この当たり前な事の周知を妨害し、中国・アジア市場で日本企業の活躍を阻み、米国企業だけが進出しようとしていたのが田中角栄を潰したキッシンジャーであり、小沢一郎を潰そうとしている米国の国策である。昔の政治家・官僚は日本の国益を大切にしたが、徐々に良識派官僚は排除されていき、愛国派政治家に政治をさせず、米国の意のままになる官僚・マスコミのみが生き残り堕落政治家(国民無視・嘘が平気で自分の利益・地位保全しか考えない連中)を操り官僚独裁をする異形の属国が今の日本の姿だ。

韓国は既に徹底的にコストカットされ現代グループは滅びサムソンの株も6割程は外国資本に握られ、いよいよ日本も韓国同様に完全支配しようとしているのがTPPである。(韓国の野党の必死の抵抗も今の所かき消されているがいつまでもいいなりでは済まないだろうと思うが激烈な競争社会で良く頑張っているが気の毒な位だ)

<序章 想像を絶する成長>
リーマンが破綻した3週間後、オニールは結婚25周年記念旅行で2週間のエベレスト山麓トレッキング旅行に行った。その結論は自分達が考えていた「グローバル」危機も、少しもグローバルで無く、西側諸国だけの問題だと気付いた。

BRICsを名付けて10年後の今日これらの国がいくつかの新星と共に現在から未来に向けての世界経済の成長エンジンである事をさらに強く主張しておきたい。
世界金融危機が起きると多くの人々がBRICsの成長物語は終わりだと考えた。直後BRICs株式市場も先進国以上に暴落した。しかしBRICsは世界経済基盤の激震を乗り越え、これまで以上に逞しい姿を見せた。2001年4カ国合計GDPは約3兆ドル。今は約4倍の11~12兆ドルだ。(世界全体は2倍)これは日本とドイツが新たにもう一つずつ生まれたに等しい。

2005年バングラディシュ、エジプト、インドネシア、イラン、韓国、メキシコ、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、トルコ、ベトナムを「ネクスト11(N-11)」と名付けた。このコンセプトも幅広く受け入れられたが、特に韓国、インドナシア、メキシコ、トルコの4カ国はBRICsと共に「成長国市場」だ。


BRICsの台頭とその後の成功は多くの人々を驚かせている。膨大な数の国民の生活を変え始め、貧困から脱出させ、大きな野心を抱かせ…後続する国々の明るい展望は、現代社会を彩る壮大な物語である。

(私の意見)
近年旅行で、中国(上海・深圳・北京・大連・厦門・成都・青島)・インド・トルコに行って感じた明るさ・発展の息吹きはまさにここに書かれている通り。イギリス・オランダ・ベルギー・ルクセンブルグ・イタリア・チュニジア・スペイン・フランスの停滞も同様だ(ドイツは頑張っていると思う)。
日本の書店に並ぶアンチ中国のバブル・体制崩壊願望論の視野の狭さに呆れる他はない。昔見た韓国・メキシコの近年の発展振りも見たいし、まだ見ぬロシア・ブラジルの興隆振りも是非この眼で見、肌で感じたいものだ。

しかし、ここまではあくまでもGSという成長の果実の多くを奪い味わう立場の人の言う世界であり、現実では裏面で地下で苦しむ人達の翳も併せ見て行く必要はあるのだが。

<最後に>
この本の本番はこれから始まり1章~9章、終章とあり各章の表題に止めるが、是非ご一読をお勧めする。
第1章 BRICsの誕生 
第2章「新興」から「発展」へ 
第3章 BRICsーブラジル・ロシア・インド・中国
第4章 勃興する成長市場 
第5章 成長に伴う資源は充分か 
第6章 次なる消費大国
第7章 歴史を超える新たな同盟 
第8章 世界経済の新たな秩序 
第9章 塗り替わる世界経済地図。
終章  世界はよりよい時代に 

ただ1つ付言したい事は、米国の金融資本の中核にいるGSAMのオニールの世界観はとっくにG2(米国と中国)時代である事、米国→中国へと徐々に覇権ウェイトが移行する(いずれ10年位でGDPが逆転する)事を前提にしており、かつ楽観的な事だ。
この事は米国の支配下でその手先と化した日本の官僚・マスコミ・堕落政治家の眼を通した世界観と、中国の将来についての見方はかなり異なったものである事だ。
日本は原発被曝問題やTPP・消費税問題を抱える今こそ、時間のゆとりと小金のある団塊以上の人達(どうも欧米崇拝から抜けきれぬが)や、金が無くても語学が充分で無くても若さという最高の財産を持った人達はどんどん世界に飛び出し、この動きに触れ、息吹を直接感じ、活躍の場を切り拡げて欲しいものだ。

とにかく腐りきった視野の狭い官僚・マスコミ・堕落政治家(菅・仙谷・野田等の変節は政治屋以下)の支配下に入りつまらない人生を送るので無く、広い世界へ飛翔を図るなり、太い繋がりを持つ事が普通の国民にとってこれほど重要な時期は無いだろうとつくづく思う。             以上