2011年2月5日土曜日

消費税について


菅政権・マスコミが消費税早期増税を目指す改造をして、その実現に向けてひた走ろうとしている。これは絶対阻止しないと日本は崩壊に向かう事になる。本当にそうなる。社会を破壊する力を持っているのだ。
以下その理由を述べるが大半は斎藤貴男氏の新著「消費増税で日本崩壊」(ベスト新書・定価800円)の引用・纏めである。 この問題が一般の国民の世論に充分浸透しないで増税容認論が出やすいのは、やはり複雑で全体像の正確な把握が難しく、財務省・マスコミの嘘に正確に反論出来る人が少ないからだ。
要点を最小限にとどめても(1)①~(3)③まで7点で反論する必要があるが、増税反対論者は最低限いつでも反論出来るよう言論武装しておいて欲しい。もちろん斎藤氏の2つの著作と、菊池義博氏の消費税はゼロ%に出来る(以前に要約し本ブログに掲載済み)も加えた3著のマスターがベストですが。

1.消費税増税を主張する人達のかざす理由

2007年11月20日政府税制調査会答申(福田康夫自民党内閣当時)の要旨
(1)財政危機にある日本が増大する社会保障費に対応するには新たな財源が必要
(2)財源は景気に左右されない消費税が最善
(3)世代に偏らず公平な税制である
概ねその時の論理を菅政権もマスコミも今も踏襲しており制度の改善に踏み込む気配もない。

2.それぞれの理由に対する反論

(1)-①日本はまだ財政危機ではない事
約900兆円の国債発行残高があるが多くは建設国債が占めているし(高速道路や議員宿舎、役所の駐車場等々資産が沢山あるのだ)、日本政府はGDPに匹敵する金融資産を持っているのだ。それを差し引いた純債務で見るべきなのだ。その上国民金融資産が1300兆円ある。こんなお金持ちの国は世界に中国と日本だけだから円高になるのだ。

マーケットはそれを知っているからS&Pが日本国債の格下げをした日に日本国債の値が逆にあがるのだ。ジョージ・ソロスが昔韓国やタイを暴落させ大儲けした再現を日本国債で狙っているふしもあるが、売り崩しをやるならやってみろ、逆に大損して消えてなくなるのがオチなのではないか。

(1)-②年金改革は既に実施されている
2005年の制度改革で2006年から厚生年金を毎年を0.354%ずつ引き上げ2017年以降18.3%にする事になっている。これで充分とは言い切れないがこれで100年安心と言っていたのは与謝野や藤井・柳沢達ではないか。概ね大丈夫なのである。

(2)-①欧州と税率を比較するなら軽減税率も同じにした上でやるべきだ
例えば英国ではスーパーで買う食品・惣菜には消費税はかからない。レストランやテイクアウトの暖かい食品にはかかるが、大抵家で食事するから消費税が20%近くでも普段の生活に影響はない。
日本では既に酒・たばこ・ガソリン税という間接税をとっている。消費税の国際比較は単純にすべきでないのだ。

(2)-②何と菅政権・官僚・マスコミの隷従する米国に消費税はない!(小売売上税はあるが)
米国も導入を検討したが「金がかかる割には税収増が見込めないから、この税制はやめよう」と決めたのだ。食料品・生活必需品の税率を軽減すると貧困層だけでなく富裕層の負担まで軽くしてしまうし、事務処理が大変。だから駄目と言っているのだ。

実は消費税が貧困層を追い詰める結果、従来にも増して福祉ニーズ・犯罪・自殺の増加による大きな政府を懸念したのだ。

(3)-①とんでもなく不公平な税制である事。零細事業者苛めは過酷だ
もう2004年度に免税点が1000万円に引き下げられた今は「益税」問題など例外ケースだ。零細事業者まで消費税の納税義務者にさせられている。この厳しいデフレ競争下でお客様から消費税分を取りきれないで自分で被らざるを得ない場合も多いようだ。細かい事務の負担も過大で倒産・廃業・自殺に繋がる要因になっているケースも多い。

(3)-②派遣社員の増大を齎した大きな要因である
「仕入税額控除」で正社員の給与は対象にならないが派遣社員にすると対象になる。これでは企業が節税の為に正社員を雇用せず派遣会社から派遣して貰った方が得であり、経営者がそうしようとしたくなるのは当然だ。更に正社員が減少する事を誘発する本当に危険極まりない制度なのだ。

(3)-③輸出戻し税の還付
大企業は自身で払ってもいない(下請けに負担させている)消費税分の還付を受けている。08年度の還付金の総額は7兆円弱。消費税収総額の4割にも達しているのだ!


これだけ多くの社会不安を齎している消費税増税を大した検討もせず欠点も改善しないまま早期に導入しようと声高に叫ぶ財務省・マスコミ・菅政権の人達は制度の受益者側にいて利益が更に拡大するから言っているのであり、社会保障の維持充実の為というのは殆ど嘘に近いものである。

この他に大きな問題としてマクロ経済で見ても消費税導入年、税率引き上げ年とも大幅に景気を後退させ税収の減少になっていたし、その後の景気回復を阻む大きな要因になってきたと言う重大な事実もあるが、次回にしたい。

2011年1月3日月曜日

「真の民主主義実現に向けた闘い」の中期見通しについて

イタリア側からのマッターホルン(2003年)
謹賀新年
今年も宜しくお願い致します。


昨年「日本の民主主義はまだ名目だけ」であり、戦後65年経っているのに未だに米国の支配から逃れていない所か、むしろ小泉・竹中政権になってから隷属の度合いが顕著になり、2005年以降ますます深まり、菅政権になってから属国化の政策が鮮明になってきてしまっている。

2009年に鳩山・小沢政権が多くの国民からの大きな期待によって出来たのだが米国・官僚・マスコミの支援を受けた菅政権に権力を纂奪された。以降マスコミは総力を挙げて小沢批判を繰り広げ、小沢さんを政治的に抹殺しようと懸命である。
しかしマスコミの影響力・権威は大幅に低下している。既に多くの見識の高い人達は激しい批判を展開している。その人達の影響もあり、自らの生活との関連を自分の頭で考えられるかなりの人達がマスコミの意見・報道が著しく偏向・捏造・操作に満ちている事に気付き始めている。マスコミ以外の情報入手先を手にしマスコミの影響から脱し始めた人が激増している段階だ。

2011年はいろいろな意味で岐路になる年だ。

<国際情勢>
①米国の一国覇権から、台頭する中国等の新興国を加えた多極化が明確化・具体化していく。
②欧米中心の官僚連合体がネットワークを強化して各国毎の統制強化が進んでいきそうである。
③米国の産軍複合体の暴走の有無・程度が大きな要素となるので、強い関心と情報確保が必要。

<日本>
①国益を無視し、自分達の権益維持の為に恥も外聞もなく小沢・支持勢力を攻撃し続けるしかない官僚・マスコミと小沢系・国民(除く特権階級)の闘いの年となる。検察・マスコミのごり押しは論理・道義上破綻しだしており、どんなに取り繕っても通用しなくなっていくだろう。菅政権・検察・マスミは総力を挙げて小泉郵政選挙の再来を狙っているが、賢くなった国民は前回のようには騙されないだろう。
②2011年度の緊縮予算で景気は大きく悪化する。それ以上に米国の取り繕っている財政破綻状況が顕在化する公算が本当に強まっているようだ。そうなると不況の規模が大きくなり政治無関心層にもいよいよ本当にお尻に火がつくが、その時彼らは眼を覚ますのかどうか?
③米国の強い意向に添った沖縄の普天間基地の現状凍結や辺野古新設を図る菅政権の札束誘導も中途半端で沖縄の怒りが止まらないのかどうか?

2012年以降への期待。

①米国の財政窮乏が顕在化してドル・石油基軸通貨体制に大きな亀裂が生ずる。大きな策謀による戦争が起こらぬよう一人一人が小さな声・視線で連携して監視し戦争阻止に努力するしかない。
②日本人もやっと国民が正しい世界情勢や国際常識、日米の財政状況を少しずつ本当に知る事になっていく。これからは官僚・マスコミ等の米国完全依存の人達ほど、精神的・経済的なダメージが大きくなっていくだろう。
③新自由主義により齎された大き過ぎる不正義・経済格差への批難が本格的に盛り上がってくる。
押さえつけようとする力との摩擦が更に強まっていくだろう。

とにかく急激な展開・激動が必須の時代に突入していると思われる。状況を見極め、コツコツ本当の民主主義に近付くよう私も微力ながら少しでも具体的に働いていきたい。

2010年12月27日月曜日

中国雑感

                                                      中国泉州市・清源山・老子石像前

<はじめに>
日本人は中国嫌いの人が割合多く親中国派と呼ばれたくないようだ。今後更に世界の政治経済で力を増していくと思われる中国。日本の安定にとって、日中友好平和促進は極めて重要であり国益にかなう事であるので、この感情のわだかまりの克服が必要だと思う。何故中国人が好きでない人が多いのか?どうしたら普通の国民の感情を友好促進の方向に改善していけるのかについて考えてみたい。

1.尖閣諸島の漁船船長拿捕事件があった現在は中国の脅威に怯え過ぎ
→これは米国産軍複合体・官僚・マスコミの自分達の既得権益擁護から始まった事なのに…

「中国は覇権を求めず、日本は中国に敵対せず」を貫けば問題は起こらないという基本認識が重要である。中国は覇権を求めないと中国の首脳は度々言っている。米国の一国覇権主義に比べたら中国は穏健に見える。中国の軍拡の実情や軍事戦略については冷静に実態を掌握して監視して対話を重ねたら良い。尖閣諸島の領有権が日本にある事は明白でありこの事は毅然として主張したら良い事だ。

ところが経済が疲弊しきった米国の産軍複合体は、戦争又は戦争に備えた警備特需を求めて尖閣諸島や朝鮮半島の緊張拡大を望んでいる。米国は日本の外務省・防衛省・自衛隊を事実上指揮下に置き、中国・北朝鮮を仮想敵国に見たてさせて日韓の軍事関連予算を増やし利益を得ようとしているのではないか。事実上陸海空に次ぐ第四軍となった海上保安庁に命じて漁船を捕まえ船長を逮捕したり黄海で軍事演習をして北朝鮮を挑発しているのだ。マスコミはこの米国の戦略を隠して、一方的に中国の領土的野心による横暴だと仕立てあげたり北朝鮮からの攻撃を懸念させて、日本人の嫌中・嫌北朝鮮の感情を煽り続ける事に必死である。尖閣の船長逮捕に抗議する僅か500人程度と言われる反日デモを繰り返し報道が嫌中国感情を拡大した。
→勿論、日本人関連施設を毀損するデモは許されない事であるが。そして残念ながらこの世論誘導に乗せられてしまう日本人が多く、中国を嫌ったり避けたりする人達の比率が80%程度?いると思われるのが嘆かわしい実態であろう。

2.過去の日本の侵略の歴史について最低限の知識を持つ事と、今の中国をもっと知る事の両方が必要である。
→日本の既得権益層は元日本軍関係者かその縁者が多い。戦争の加害行為の隠蔽と過剰な責任回避・防禦の姿勢が強いと思う。過去の大日本帝国の栄光に浸った意識の持ち主も僅かながら残存している。こういう時こそ、日中の過去の歴史に、ありのまま何があったのか確認する立場が大切なのだ。

近代の歴史を冷静に振り返れば、中国は清国の時代からずっと受け身であり英・仏・独・露等西欧列強や日本の帝国主義国に侵略され、それと闘い続けてきた歴史と言えるのではないか。日本がその中でも最大級の加害国になっていった事は紛れもない事実である。
多くの日本人の歴史認識は大変低いレベルに止まっている。戦後の教育は古代・中世は教わっても近代は殆ど教わっていず、司馬遼太郎等を読んで明治の日本の隆盛ぶりを喜んでいる人が多いのだ。少なくとも高校の教科書レベルの日中の闘い(日本の侵略)の知識が必要と思うが時間切れで充分教わっておらず、一部の人を除いて私も含めて殆どの人が基本的な事実を知らないと思う。これが最大の問題なのだ。私も今回基本的な知識を再確認し乍らこれを書いている。
この満州国の中心的存在だった満鉄の調査部が今の日本のマスコミを支配している電通の前身だと分かると今の日本の報道ぶりも大いに頷けるのだ。

中国は、日本のシナ事変・大東亜戦争のような帝国主義的な大規模な武力侵略は行っていない。むしろ被害者であった期間が長かったのだ。日中戦争や第二次世界大戦の歴史で中国との論争になるのは、南京事件の中国民間人被害者の数の問題がある。この件は数の多少を感情的に争う問題でなく両国の歴史学者が冷静に調べるべき話であり、いずれにしても加害行為があった事は間違いないのだ。最近海南島でも慰問婦にされた人達が日本で裁判を起こしたが敗訴になっていた事実を始めて知った。今は日本人がゴルフを楽しむ島だ。勿論、靖国神社参拝の問題が依然として最大のテーマになる事も避けて通れない事実だ。
日本の指導層に多くの軍人OBの人脈がいて強大な権力を維持している為、過去の加害行為を突かれたくない意識は強いのだと思う。最近戦時中に中国で生きた人の人体解剖もやった軍医がやっと重い口を開き事実を認めたケースもあったようだ。

<大連・旅順観光で知った事>

又、敗戦前後の悲惨な体験を語りたくない人達も多いのだ。最近NHKは坂の上の雲で日本海海戦の秋山真之参謀の活躍を英雄視して放送しているが戦争はそんなカッコいいものである筈がない。日露戦争で大激戦を繰り広げた旅順の203高地の要塞等を10月に見て来た。当時の激戦を今に感じさせる場所がそこに生々しく残っているのだ。乃木将軍とステッセル将軍の会見の場の水師営は粗末だが重要な歴史の跡を留める小屋が残存していた。数台のバスが連なり、中国の高校生と思われる人達が整列して真剣に歴史を学んでいるのだ。旅順~大連の途中に1909年にハルピンで伊藤博文を暗殺した韓国独立運動の活動家安重根を収容獄死させた監獄も見た。狭い重苦しい監獄が観光のルートに入っていたのだ。妻は途中でもう見たくないと離脱した。

大連は噂に違わぬ実に美しい街並みだ。近代化も進んでおり、仙台の美しさを更に大規模にして、整然と街づくりされた落ち着いた大都会と言ったら良いだろうか。満州国ゆかりの建物がほぼ残存しており約100年前の日本の日の出の勢いを感じさせるのは確かだ。満鉄の跡には川重製のとてつもなくでかい機関車が1台残って往時をしのばせる。又ロシア風の建物が残存する地域があったり、今は世界の資産家の隠れた別荘地の一帯でもあり本当に魅力たっぷりの都市だった。
立ち寄った大連賓館(旧大和ホテル)は1914年竣工の当時の一流ホテルで往時の華やかさを偲ばせる。1972年9月に北京で「日中共同声明」に調印したが、その電撃的交渉成立前に田中角栄元首相と周恩来元首相が事前に交渉した部屋が当時のままらしく、その田中角栄が座った椅子に座って偲んで来ました。

しかし敗戦前後の日本人は本当に悲惨だったようだ。残った日本人のうち恵まれていた少数の医師や教員(安部公房と清岡卓行)も日本人の財産没収を手伝わされ、その恨みで引き揚げ船内で凄惨なリンチに遭ったり、コレラも酷かったようだ。地獄図が繰り広げられた船の出た大連の埠頭はホテルの窓から俯瞰出来る。日本が作った実に美しい埠頭だった。ここから引き揚げ船が舞鶴に向かったのだ。

致命的なのは戦後の日本の教育でこういった大正・昭和の近代の歴史を殆どやってこなかった事だ。誰でも酷い経験は語りたくない。戦後生まれの私の同世代は親からも教師からも中国侵略の歴史的事実をあまり教わらず充分知らないまま育った。それに背を向けひたすら米国の経済圏で経済発展に邁進し成功してきた。英語はある程度覚えて欧米の文化には馴染んだ人は多いが、遥か昔から交流の深かった中国に馴染みのある人がまだ本当に少ないのだ。
まして中国語が分かる人は極めてまれで中国人と日本人がビジネスは英語でやる事も多い現状であるが、一般の英語が充分でない国民同志での正しいコミュニケーションは容易ではない。

3.経済大国になったプライドと、巨大な市場かつ強力なライバルとなった中国へのとまどい

戦後経済大国に成長した日本は1980年まで朝鮮戦争やベトナム戦争特需もあり繁栄を謳歌した。バブル崩壊後も官僚・マスコミ・大企業の特権層は自らの権益はむしろ拡大させつつ、従業員の待遇を切り詰め、正社員の採用を控えて乗り切ってきた。平成になってから更に米国の年次改革要望が厳しくなり、それに対応してきたため中間層は大幅に抉り取られ、分厚い下層の労働力を作りだす為に労働者派遣法が制定された。その結果、日本の格差は先進国中で上位になってしまった。

特権層は衣食住(やや狭いが)とも世界トップクラスの生活を享受していると思う。少なくなって来た中間層ですら贅沢さえしなければデフレもあり、給与は抑えられても世界の中ではまだ高い水準の生活を享受していると言えよう。
こういった恵まれた人達からすれば中国の食品衛生や環境問題での後進性は蔑視の対象となるのだろう。実際の中国はこの面でも改善が著しく、特に沿岸部の大都市の市街地の緑化・清掃は見違える程進んでいるのだが(私はまだ内陸部は殆ど知らない。20年前西安に行っただけだ)。

6月に上海万博に行った際、行く度にキレイになっている上海には驚かされてきたが、立ち寄った深圳も事前のイメージが吹っ飛ぶ緑のある近代都市になっていた。多くの日本人は欧米や他のリゾート地への憧れは高いが身近の中国への関心は薄いままだ。行ったら快適で楽しい所なのだが。
実際に中国に行かないので分からないままTV新聞の意図的な中国へのネガティブキャンペーンをそのまま信じてしまう人が多いのが今の日本人の残念な所だ。この期に及んで、やっと生き残りをかけて中国に投資をする企業も又出てきており成否が注目される。

4.正確な現状認識を拒む心情と妬み
→今後具体例を正確に把握していく必要がある。

以前から中国に進出した企業は安い人件費のみ求めたり、中国の文化、特に班の意識を充分把握して対応しない場合は進出しても失敗するケースも多かったようだ。又最近の中国の発展振りに眼をつぶり、良く知ろうとせず、妬む人達も多い。そういった狭い感情を超越して、とにかく交流を深め、違いを理解し、お互いを敬う気持ちが大切である。政冷経熱や戦略的互恵関係等で止まらず、真の互敬関係が必要なのだ。何事もカネ・カネ・カネだけでは真の友人にはなれないのだ。ビジネスでも既に多くの部門でライバル関係になり競争も激しく、成功する中国企業への恐れ・妬みも大きい事情は理解できるが怯んでいてはいけない。昔満州に進出した日産は、今は厦門の空港で最初に目につく東風日産で生き残っている。

5.人的交流の強化の必要性
→政府間、学生の交流に止まらず、自治体、民間人の交流も厚くする事が友好平和を齎す。

大平正芳元首相が外相の時に田中元首相と共に、毛沢東元主席・周恩来首相らと成し遂げた日中国交回復が歴史的大事業であった事はいくら強調してもし過ぎではない。当時それを知ったキッシンジャーが田中元首相をジャップ!と激怒したと言われている。その後も日中の関係が深まる事は米国にとって死活問題であり、何が何でも阻止したい事のようだ。

<厦門・華安・泉州観光で知った事>

12月の厦門・泉州の旅行でも眼を瞠る事が多かった。コロンス島の美しさ、伝統芸能の人形劇や音楽の素晴らしさだけでも一見の価値がある。ポルトガルが欲しがった風光明媚な島だ。真向かいには台湾領金門島・馬祖島が眼の前にあり、海峡が緊張していた頃に独製の巨大大砲が設置され今も観光用に残っている。厦門の街も本当にキレイだった。

華安土楼前(ドライバーと)

世界遺産の華安土楼は不思議な暖かさを持った宋代以来の客家の共同住宅だ。本当に一見の価値がある。客家は文天祥、孫文、鄧 小平、リ・クアン・ユー、李登輝等の著名人が輩出した。華僑の多くが客家出身で、中国の改革開放経済の繁栄を支えた人達と言われている。厦門から高速を車で2時間半。途中工場地帯漳州市を抜け、バナナ畑、茶畑(天下の銘茶、鉄観音の故郷)を抜けた山里の景観も穏やかで美しい。胡錦濤主席も訪れたそうだ。
南宋の文天祥の思想が吉田松陰に繋がったとも言うし、1898年西大后のクーデターで日本に亡命した梁啓超は吉田松陰の思想を研究し中国の近代化を夢見たらしい。又日本人にも馴染みの深い孫文は2010年に辛亥革命を起こし2012年中華民国の誕生で初代臨時大統領になった。尊崇の対象で中国各地に中山堂があるようだが、日本亡命時代に日本人妻がいてお孫さんもいるようだ。


泉州は仏教、道教、イスラム教の寺が共存する京都・奈良のような歴史の街だった。老子の石像も鎮座している。その前で写真を撮ったが不思議に悠久の風が吹きわたっているように感じられた。泉州通准閣岳廟も参拝客でごった返していたが、おみくじを引いたら売り子の叔母さんが日本人と知ってわざわざ上上の籤を選んで渡してくれた。
途中には大理石の卸売の街があった。日本人のお墓の石の多くは福建省産で厦門港から輸入されているらしい。海のシルクロードを大航海した英雄、鄭成功記念博物館の船の陳列も素晴らしかった。


中国の土地が国家所有である事は日本では共産党独裁で立ち退きを強制された例のみ報道されるが、少なくとも計画的な街づくりには極めて有効であると、どの都市へ行っても強く感じる。上海万博も良く中心街に近い所にあれだけ広大な敷地が用意出来たものだと驚かされたものだ。
本当にどの街も美しく計画的に開発整備されているので、そのお陰で職住近接の人が多いようだ。厦門の27歳の男性ガイドは街の中心のホテルから車で10分未満の37階のビルの27階に妻と1歳8カ月の坊やと暮らしていた。妻は弁護士だが子供が3歳までは働かないという。日本からの観光客激減の逆風にもそれ程めげずに道中お客(私達夫婦のみ)をほったらかして、株の売買を携帯でやって大幅減収の穴埋めをしていた。最終日は自宅マンションに招いてくれて、子供と遊んだり手作りのおいしい夕食を作ってくれて楽しかった。


中国の人が好きでない理由に声が大きくうるさいと感じる人は結構多い。主張がはっきりしている事も婉曲さを好む日本人はちょっと苦手だ。しかしそんな事は本当は些細な事だ。遠くて近い中国の発展振りを多くの日本人が目の当たりにしたり、中国人と付き合いを深めれば簡単に乗り越えられる程度の問題だと思う。


何よりもお互いの言語を理解出来る人材がどの位厚くなっていくかがポイントになるだろう。”言葉を正確に理解する事が文化を知る事”というのは当たり前だが大切な指摘である。若し今の菅政権のような非協調的な首相や、敵対的とも思える前原外相の政権が続いたとしても、日中の交流は必ずより太い友好的なものになっていくと思う。この歴史の必然的な流れは止められないであろう。私達も先人や今の日中友好平和促進の中核となって活躍する人達にいろいろ教えて貰い乍ら、あちこちをうろうろして、ささやかに両国の友好平和に貢献していきたい。


・参考にした見解 
①シンポジウム「日中の未来を考える~東京視点 日中市民交流イベント」2010.12.18      
白西紳一郎氏(社団 日中協会理事長)や可越氏(東京視点・日中コミュニケーション代表取締役)達から得た情報。
②「大平正芳生誕100周年出版記念懇談会」 2010.12.20に参加した方々のスピーチ。
辻井喬氏(日本中国文化交流協会会長)も大平元首相をテーマにした小説があるようだ。
・参考にした書籍        大平正芳からいま学ぶ事 
桜美林大学北東アジア総合研究所(川西重忠所長)
北京外国語大学北京日本学研究センター(徐一平主任)連携