櫻井陽司「パンとワイン」 |
日本はとんでもない官僚妖怪の支配する国家になってしまっている!
1.はじめに(事件の背景)
3年半に及ぶ西松事件から陸山会事件に至る裁判で、日本の司法官僚が国民の生活を雁字搦めに縛っていこうとしている事が良くわかった。
<背景ー日本のおかれた立場の確認ー>
戦後66年経過した。敗戦後日本国憲法の下、高度経済成長・バブル崩壊・失われた20年と興隆期からじりじりと停滞から衰退期に向かい始めた日本。
勿論米国のドル覇権、日米安保の名の下の属国の立場で経済成長を遂げた日本はソ連崩壊後、1990年頃から米国の主要敵国的立場になり、激しく金融・為替等で攻撃を受け続けて来た。
2000年代になるとブッシュのイラク戦争に全面的に組み込まれて、戦費約40兆円を負担させられ、とうとう非戦闘地域という名目でサマワで戦闘の支援をし、米国の住宅バブル政策も支えて来た。
2008年遂に米国のバブルが崩壊して混乱したが、ドル覇権国家米国はドルを刷り続ける事で急場を凌ぎ続け、中国・日本・サウジアラビアに米国債を買わせる事で今の所何とか持ち直しているかのように見える。
投資会社で唯一生き残ったゴールドマンサックスは装いを変えドル危機を覆い隠し、大量にユーロ圏諸国に買わせた米国債や債券の損失を把握出来る立場を利用してギリシャ・イタリア・スペイン等への攻勢をかけ続けていて、現段階ではユーロ危機が目立っている段階にある。
<米国覇権の陰りー確実にG1からG2に向かっているー>
この間、米軍・イスラエルの強硬姿勢にも経済的縛りから陰りが出て来ている。昨年からのイランの核施設への米国やイスラエルの先制攻撃論や、北朝鮮との緊張の高まりをしきりと演出しているが、細かい動きを観察するといずれも米国・イスラエル両国の強硬派を慎重派が押しとどめている動きが今の所上回っているようだ。それでもルービニ教授があと1年以内にイラン攻撃が起こると言及する等、戦争勃発の緊張が続いている。米国・欧州の大損失を隠しきれなくなった場合、ちゃぶだい返しの為の大戦争も覚悟しなければならない程欧米の金融機関は傷んでいるようだ。
いまや経済的にはG20の方が力を持ち、何事もG7やG8、IMFや世界銀行で欧米主導で物事が決まる時代でなくなりつつある事は確かだ。BRICS、とりわけ中国の覇権がいろいろな影響を及ぼし始めている。
こういった情勢下、米国は環太平洋パートナーシップを軸に大西洋から太平洋に軸足を移し、アジアの成長を取り込む為に、日本の軍事・経済を従来にも増して管理下に置き、自由に使う必要があるのだ。隠し続けるリーマンショック時の巨大損失を日本の国富を奪い取る事で埋め合わせようとしているのだ。5月11日発表されたモルガン・スタンレーの損失は本当は桁が違う位あるのだろう。
2.何故小沢氏排除が全てに優先するのか
(陸山会事件の政治的弾圧裁判でわかった事)
もうこの裁判がまともな裁判でなく捏造された政治裁判である事は明確になった。無罪判決が出ても、小沢氏の政治力を封じ込めたい米国、米国やIMFに資金をつぎ込む必要のある財務省、国民の権利を制限し巨大な権力下に置きたい最高裁事務総局・法務・検察、対中国・北朝鮮との緊張を高めて米国に忠誠を尽くし権限を拡大したい外務省・防衛省等が一体となり「国民の生活が第一」の政治家の排除・抹殺を目指している。特に最高裁事務総局が検察審査会を下部組織として使いとうてい公開出来ない不当な操作をしていた疑いは濃厚である。
軍事的にも経済的にも、日本の「国民の生活が第一」等はとんでもない事であり、財政困窮の米国軍事費の肩代わり、日本の郵政資金のみならず年金も米国の金融債券の損失の穴埋めに使おうとしているのだ。保険も郵貯の簡易保険等許し難く、医療制度も自由診療部分を拡大して儲けたいのだ。又、モンサントの遺伝子組み換え作物で市場を席巻したがっている。これらの日本経済蹂躙政策が消費税増税=管理出来ない中小自営業者を潰す事で市場を奪う事、TPP=日本の制度を殆ど米国と同等のものに作り替える事、を要求しているのだ。
勿論、一気にそんな事が可能になる訳はないが、彼らにとって「国民の生活が第一」の政治家が邪魔な事は明らかである。それにしても官僚・マスコミの米国隷従度合いがこれ程酷いとは。ある程度認識している人達も、この小沢裁判の過程で想像以上の隷米ぶりが明らかにされた。
米国・官僚・マスコミは「国民の生活が第一」派の政治家の抵抗は想定していただろうが、一般市民の大きな抵抗は想定外だったのではないか。それも既に指導者を懐柔済みの社民党や共産党では無い保守系無所属やリベラル派の市民が団結して抵抗の輪が拡がったのである。田原や茂木等を使った懐柔も全く無力になって来ている事にまだ気付かないのだろうか。みのや古館は勿論、大越がどれ程バカにされ嫌われているのか早く気がついた方がいい。
3.抵抗の輪を拡げよう
ここまで来ると捏造した側もされた側も、引く訳にいかないだろう。福島原発事故対策も損害賠償も放置したまま、産廃業者を儲けさせる為と、閉じ込めた福島の人達の健康被害が突出しないように放射能バラマキ政策と、後は野となれ山となれの原発再稼働をやりながら双方とも消耗戦を続けるしかないのか。
いくら相対的に日米欧の中では財政が健全な日本でも、このまま官僚・天下り官僚が税金を貪り続けると危ない。まして成長国中国・ロシア・インド・ブラジルを始め韓国・トルコ・インドネシア・ベトナム等が日本のライバルどころか凌駕する部分も目立ち始めている段階だ。いたずらに国内の政争や対外強硬姿勢で自己陶酔している余裕は無い筈なのだが。
これまで独占的立場で甘い汁を吸い続けて来た官僚・行政組織・電力会社・NHK・マスコミ等のたっぷり蓄えた脂肪分を吐き出させないで耐えに耐えて来た中小自営業者やサラリーマン・派遣労働者達から更に毟り取ろうとすると収拾がつかない混乱が生じ、一気に坂道を転がり落ちる事になってしまう。一部少数の日本国債暴落に賭けているトレーダー達に巨利を与えてはいけない。
いずれにしても激しい攻防で、仮に既得権益側が力で一時的に抑え込んだ場合は国力が急落していくだろう。一番の能力の高い働き手達の力を大きく削いでしまうのだから。騙されたり意気地が無く唯々諾々としている人達だけを酷使しても碌な成果は出ないであろう。
今後どうなるか予測はつきにくいが、こんな酷過ぎる事件が無ければ悠々自適するつもりだったが、こうなったからには覚悟を決してコツコツ・黙々(ではダメですね!)と抵抗の輪を拡げ強化していきたいものです。